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『この手紙を読むときは』
『Quand tu liras cette lettre』
(1953)

スタッフ
製作: ジャド・フィルム Jad Films
同: S.G.C.(パリ)
同: ティタヌス(ローマ) Titanus-Dauria(Rome)
製作代表: ルイ・デュボワ Louis Dubois
製作主任: ポール・タン Paul Temps
脚本・脚色・台詞: ジャック・ドヴァル Jacques Deval
監督: ジャン=ピエール・メルヴィル Jean-Pierre Melville
撮影監督: アンリ・アルカン Henri Alekan
カメラ・オペレーター: アンリ・ティケ Henri Tiquet
カメラ助手: ヴラディミール・イヴァノフ Wladimir Yvanoff
同: メンヴィール Menvielle
助監督: ピエール・ブロンディ Pierre Blondy
同: ヤニク・アンドレイ Yannick Andrei
同(見習い): マルタン・サショ Martine Sachot
音楽: ベルナール・ペフェル Bernard Peiffer
ギター独奏: サッシャ・ディステル Sacha Distel
編集: マリネット・カディス Marinette Cadix
編集助手: ヨー・モーレット Yo Maurette
美術: ロベール・ギー Robert Gys
同: レイモン・ガビュッティ Raymond Cabutti
美術助手: ダニエル・ゲレ Daniel Guéret
装置: ロベール・クリスティド Christides
録音: ジュリアン・クテリエ Julien Coutelier
サウンド編集: ジャック・カレル Jacques Carrère
録音助手: ジラルド Gerardot
同: ベジエール Bessières
J・グレコとI・ガルテルのドレス: マリアン・ド・ケール Marian de Kers
P・ルメールとD・コーシーの制服: ラ・ベル・ジャルディニエール La Belle Jardinière
メイク: ジャニーヌ・ジャロー Janine Jarreau
メイク助手: ノラ・スターン Nora Stern
スケッチ: ヌヴー Neveu
スチール写真: カルヴェル Carvel
記録: ドグマール・ボーリン Dogmar Bolin



キャスト
テレーズ・ヴォワーズ Thérèse Voise: ジュリエット・グレコ Juliette Gréco
マックス・トリヴェ Max Trivet: フィリップ・ルメール Philippe Lemaire
ビケ Biquet: ダニエル・コーシー Daniel Cauchy
ドゥニーズ・ヴォワーズ Denise Voise: イレーヌ・ガルテル Irène Galter
イレーヌ・フォージュレ Irène Faugeret: イヴォンヌ・サンソン Yvonne Sanson
予審判事 le juge d'instruction: ジャック・ドヴァル Jacques Deval
公証人 le notaire: ジャン=マリ・ロバン Jean-Marie Robain
軽食堂の女主人 la patronne du buffet: シュザンヌ・エドゥワン Suzanne Hédouin
バーテンダー le barman: ロベール・ダルバン Robert Dalban
修理工 le garagiste: フェルナン・サルドゥ Fernand Sardou
肉屋: フィリップ・リシャール Philippe Richard
書記: レオン・ラリヴ Léon Larive
ロラン Roland: ロラン・ルザッフル Roland Lesaffre
祖父 le grand-père: マルセル・ドレートル Marcel Delaître
祖母 la grand-mère: ジャーヌ・モルレ Jane Morlet
ゴベール夫人 Mme Gobert: スージー・ウィリー Suzy Willy
医師 le médecin: ロベール・エベール Robert Hébert
門番 le portier: ルイ・ペロー Louis Pérault
修道院の上長 la supérieure: コレット・レジス Colette Régis
列車内の老婦人 la vieille dame dans le train: イヴォンヌ・ド・ブレー Yvonne de Bray
ローラ Lola: クロード・ボレリ Claude Borelli
その他の出演: クロード・エヌシー Claude Hennessy、コレット・フルーリ Colette Fleury、メル・マルタン Mel Martin、アドリーヌ・オーコック Adeline Aucoc、アラン・ノビス Alain Nobis、マルセル・アルナル Marcel Arnal、ルイーズ・ノヴァ Louise Nova、フランソワーズ・アルバン Francoise Alban、ポール・タン Paul Temps、リュシエンヌ・ジュイエ

104分。配給 = マルソー
1953年2月から3月まで、カンヌ、パリにてロケ撮影、及びビヤンクール撮影所にてセット撮影。
パリ公開 = 1953年11月11日
日本公開 = 2009年11月29日
国内盤DVDなし。国内VHSビデオレンタルなし。海外盤DVDあり。DVD情報はこちら

なお、スタッフやキャスト等のデータに関しましては、主に「サムライ」(ルイ・ノゲイラ著、井上真希訳、晶文社刊)、「キネマ旬報 1973 616」(シネ・ブラボー ジャン=ピエール・メルヴィル追悼(1)山田宏一)、「Jean-Pierre Melville/An American in Paris」(Ginette Vincendeau著)の3冊を参考とさせていただいております。
また、スタッフの役職名等、映画本編のエンドクレジットとは多少表記が異なると思われる部分もございます。



あらすじ
カンヌのノートルダム・デスペランス教会で修道女となっているテレーズは、突然両親が交通事故死したために、未成年の妹ドゥニーズを世話するように祖父に説得され、還俗して両親が残した文房具店を引き継ぐ。

自動車工場で修理工として働く女たらしのマックスは、カンヌのホテルに滞在している金持ちの中年女性イレーヌに運転手にしてくれと持ちかけ、自分のボクシングの試合を観に来るように誘う。
イレーヌはマックスのためのプレゼントに買った帰りにテレーズの文房具店で便箋を注文する。
一方、マックスはホテルのボーイであるビケを使って、イレーヌが公証人と夫との離婚の相談をしていることを聞き出す。

マックスは道端でドゥニーズに偶然出会い言葉巧みに誘惑すると、純朴なドゥニーズは自分の店の名前と場所を教えてしまう。
さっそくマックスは店に行くが、ドゥニーズは留守でテレーズにあしらわれる。
マックスが店に来たことを聞いたドゥニーズは、マックスに対してほのかな恋心を抱く。

マックスはイレーヌのホテルの部屋にベランダから夜這いに入り、イレーヌもそれを受け入れる。
マックスは翌朝から修理工の仕事をやめ、イレーヌの運転手兼愛人となる。

ドゥニーズはイレーヌが注文していた便箋をホテルに届けに行くが、部屋で留守番をしていたマックスにレイプされてしまう。
絶望したドゥニーズは、マックスに犯されたことを告白する手紙を書くと、レラン諸島行きの船に乗り、海に身を投げる。
ドゥニーズはなんとか一命を取り留めたが、テレーズは妹が残した手紙を読んで事情を知る。

運転手になって環境が一変したマックスは、イレーヌから宝石を奪って、その金でモロッコで商売をするという元々の計画はどうなった?とビケに詰問されるが、イレーヌのベルギーの家の方がでかいヤマだ、それまで待て、とビケを諭す。
ビケにイレーヌの車を一晩貸す約束をしたマックスは、車のボルトを外す細工をする。
急用を思い出したイレーヌはニースに行くために車に乗るが、ボルトが外れていたためにブレーキが効かず事故死する。
マックスは事件の容疑者として判事に尋問されるが、嫌疑不十分で不起訴となる(ビケは失踪)。

妹が犯されたことに怒り心頭のテレーズは、マックスにすぐに妹に求婚しなければ祖父母に強姦罪で告訴させると脅す。
マックスはドゥニーズに愛のない求婚をするが、むしろテレーズの方に本気で惚れ込んでしまう。
マックスはテレーズに愛の告白をするが、テレーズはそれをきっぱりと拒絶する。

マックスは旧知のローラという女からビケの手紙を渡される。
そこには、モロッコで一緒に一稼ぎしないかという内容が書かれてあった。
隙を見てテレーズを夜の浜辺に誘い出したマックスは、明日マルセイユで落ち合って一緒にモロッコへ行こうと必死に口説く。

翌日、ドゥニーズと祖父母が田舎に発つのを見送ったテレーズは、急に魔が差してカンヌ駅から列車に乗る。
ローラからテレーズが列車に乗ったことを電話で知らされたマックスは、ビケ宛にモロッコに向かう旨の手紙を書くが、列車に乗り遅れそうになって前を横切ろうとしたところを轢かれて絶命する。
再び出家したテレーズは、妹の魂の救済とマックスの魂の休息を神に祈るのだった。