スタッフ |
製作: |
ベルフォール・フィルム Belfort Films |
同: |
アルテル・フィルム Alter Films |
同: |
O.G.C. Organisation Generale Cinematographique |
製作代表・原案・脚本・台詞・監督: |
ジャン=ピエール・メルヴィル Jean-Pierre Melville |
製作主任: |
フロランス・メルヴィル Florence Melville |
同: |
アラン・テルアンヌ Alain Terouanne |
同: |
レイモン・ブロンディ Raymond Blondy |
助監督: |
ヤニク・アンドレイ Yannick Andreï |
助監督・カメラオペレーター: |
シャルル・ビッチ Charles Bitsch |
撮影監督: |
ニコラ・エイエ Nicolas Hayer (パリで撮影されたセットのシーン) |
同: |
ジャン=ピエール・メルヴィル Jean-Pierre Melville (ニューヨークのシーン) |
同: |
マイケル・シュレイヤー Michael Shrayer (ニューヨークのシーン) |
カメラ・オペレーター: |
ジャック・ラング Jacques Lang |
同: |
フランソワ・レシャンバック Francois Reichenbach |
音楽: |
クリスチャン・シュヴァリエ Christian Chevallier |
同: |
マルシャル・ソラル Martial Solal |
音楽監督: |
ポール・ボノー Paul Bonneau |
音楽録音: |
ギャビー・ジャレ Gaby Jarret |
トランペット: |
バーナード・ヒューリン Bernard Hulin |
ハーモニカ: |
アルベール・レスネル Albert Raisner |
編集: |
モニーク・ボノ Monique Bonnot |
編集助手: |
フランソワーズ・ボノ Françoise Bonnot |
美術: |
ダニエル・ゲレ Daniel Guéret |
美術助手: |
マルティン・シャショ Martine Sachot |
装飾: |
ロジェ・バール Roger Bar |
セット建築: |
レイモン・オーペ Raymond Aupée |
小道具: |
ジョルジュ・バラン George Balland |
録音: |
ジャック・ガロワ Jacques Gallois |
整音(サウンド編集): |
ジャック・カレル Jacques Carrère |
録音助手: |
Corvaisier |
同: |
Loiseau |
記録: |
Ghislaine du Sire |
スチール写真: |
ギー・アンドレ Guy André |
劇中歌: |
『マンハッタン・ストリート Street in Manhattan』
(作詞:ジョー・ウォーフィールド Jo Warfield) |
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There's a street in Manhattan With a house that has no windowpane And the
love burnt from the night Listen man, go away from me I lived there so
long ago With a guy you wouldn't care to know God, it's cold here, nothing
good here Go man, not tonight
His eyes sang to me all day He smiled
in a funny way Nothing more for me to say It's all dead
Down that
street in Manhattan And that house that has no windowpane And that love
burnt from my heart away God, it's bad tonight
Down that street in
Manhattan And that house that has no windowpane And that love burnt from
my heart away
God, it's bad tonight |
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キャスト |
写真家デルマス Delmas: |
ピエール・グラッセ Pierre Grasset |
記者モロー Moreau: |
ジャン=ピエール・メルヴィル Jean-Pierre Melville |
アンヌ・フェーヴル・ベルティエ Anne Fèvre-Berthier: |
クリスティアーヌ・ユード Christiane Eudes |
女優ジュディス・ネルソン Judith Nelson: |
ジンジャー・ホール Ginger Hall |
秘書フランソワーズ Françoise: |
コレット・フルーリ Colette Fleury |
娼婦グローリア Gloria: |
モニーク・エヌシー Monique Hennessy |
歌手ヴァージニア・グラハム Virginia: |
グレンダ・リー Glenda Leigh |
フランス通信社支局長ルーヴィエ Rouvier: |
ジャン・ダルカント Jean Darcante |
国連広報局マッキミー McKimmie: |
ジェリー・メンゴ Jerry Mengo |
フランス通信社編集長オーベール Aubert: |
ジャン・ララ Jean Lara |
踊り子ベッシー・リード Bessie: |
ミシェール・バリー Michele Bailly |
フェーヴル・ベルティエ夫人 Mme Fèvre-Berthier: |
ポーラ・ドエリー Paula Dehelly |
ダイナーの警官 policier: |
カルル・ステューダー Carl Studer |
娘その1: |
グローリア・ケイザー Gloria Kayser |
ダイナーの酔っ払い l'ivrogne: |
ジャン=ピエール・ダラス Jean-Pierre Darras (ノンクレジット) |
トランペット奏者 le trompettiste: |
バーナード・ヒューリン Bernard Hulin (ノンクレジット) |
マーキュリー劇場の警備員 le gardien du théâtre: |
ハイマン・ヤノヴィッツ Hyman Yanovitz |
デヴィッドソン大佐 le colonel: |
ビリー・ベック Billy Beck |
ダイナーのバーテンダー le barman: |
テテルマン Tételman |
ピアノ奏者 le pianiste: |
アート・シモンズ Art Simmons |
その他の出演: |
ナンシー・ドロルム Nancy Delorme、キャロル・サンズ Carole Sands、バーバラ・ホール Barbara Hall、モニカ・フォード
Monica Ford、Deya Kent、William Kearne |
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84分。配給 = コロンビア。 |
1958年11月から1959年4月まで、ニューヨークにてロケ撮影、及びジェンネル撮影所、ビヤンクール撮影所にてセット撮影。 |
パリ公開 = 1959年10月16日 |
国内DVDあり。国内VHSビデオレンタルあり。海外盤DVDなし。DVD情報はこちら |
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なお、スタッフやキャスト等のデータに関しましては、主に「サムライ」(ルイ・ノゲイラ著、井上真希訳、晶文社刊)、「キネマ旬報 1973 616」(シネ・ブラボー ジャン=ピエール・メルヴィル追悼(1)山田宏一)、「Jean-Pierre
Melville/An American in Paris」(Ginette
Vincendeau著)の3冊を参考とさせていただいております。 また、スタッフの役職名等、映画本編のエンドクレジットとは多少表記が異なると思われる部分もございます。 |
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レビュー |
2005年、紀伊国屋書店からDVDが発売されたこともあり、再評価された方も多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人で、以前からレンタル・ビデオで観てはいたものの、改めてDVDで観て、この作品の魅力を再確認した次第です。
それどころか、観る度に味わいが深まり、この作品が好きになります。
贔屓目に見ても、映画史に残るような名作ではないのでしょうが、間違いなく面白い作品ですし、観て決して損のない作品だと思います。
メルヴィル作品に興味のある方には是非一度ご覧になることをお薦めしたい作品です。
ニューヨークに派遣されたフランスの通信社の記者(メルヴィル)とカメラマン(グラッセ)が、失踪したフランス国連代表の行方を追って、一晩、関係のありそうな女を訪ね歩く・・・というのが簡単なストーリーですが、その訪ね歩く先々の様子が大変面白く描かれています。
メルヴィル自身が演じるモロー役は、メルヴィル自身、後に自らを卑下した発言をしているものの、どうしてどうして、飄々とした味のある、かなり面白い役柄になっています。
また、ピエール・グラッセ演じるデルマスのキャラクターもリアリティがあります。
カメラも、盟友アンリ・ドカではないものの、大変魅力的。
モローが画面に出ないシーンでは、メルヴィル自身が撮影したとのことです。
また、私のようなジャズ好きな人間にとっては、ジャズレーベル・キャピトルの録音風景が見られるのも大変興味深いですし、映画のところどころで使われているジャズもとても魅力的。
実際、メルヴィルは大変なジャズ好きだったようですが(特にMJQのファンだったらしい)、後の「いぬ」、「仁義」などの音楽にもそれは垣間見られます。
発表当時、ゴダールがこの作品をかなり高く評価していたようですが、シーンが展開する直前でのちょっとした音楽の使われ方など、ゴダールの「勝手にしやがれ」に与えた影響は計り知れないのでは?という気がします。
これは、厳密な意味でのフィルム・ノワールとは言いがたい作品かもしれませんが、映画そのものが持っている雰囲気は間違いなくそれと断言できるもの。
ストーリーにレジスタンスを絡めているのもメルヴィルらしい。
アメリカで映画を撮ることが夢だったメルヴィルにとって、この作品の主人公はある意味、マンハッタンの夜景と言えるかもしれません。 |
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あらすじ |
12月23日の午後、ニューヨークの国連総会をフランス首席代表フェーヴル・ベルティエが欠席した。
フランス通信社のニューヨーク支局の記者モローはその欠席理由と行方を探るようにオーベール編集長から命令される。
モローは国連広報局のマッキミーの事務所、ベルティエの秘書フランソワーズの元を尋ねるが、欠席の手がかりはつかめない。
モローは、この種の事情に詳しい友人のカメラマン、デルマスをアパートに訪ね叩き起こすと、デルマスが持っていたベルティエの写真を元に、ベルティエと関わりのある女性を尋ねて回ることにする。
二人はマーキュリー劇場に出演中の女優ネルソン、キャピトル・レコードで録音中の歌手ヴァージニア、外交官専門の高級情婦グローリア、踊り子ベッシーを次々と訪ね歩くが、ベルティエの失踪の手がかりを掴むことはできない。
休憩がてらダイナーに入り食事をする二人の元に、ラジオからマーキュリー劇場の女優ネルソンが幕間に楽屋で動脈を切って自殺を図ったとのニュースが飛び込んでくる。
ネルソンが運び込まれた病院を訪ねた二人は、面会謝絶の重体であるネルソンからベルティエが彼女のアパートで一人心臓発作で死んでいたことを強引に聞き出す。
ネルソンのバックからアパートの部屋の鍵を抜き取ったデルマスとモローがネルソンの部屋に忍び込むと、果たしてその部屋では彼女の話通りベルティエがソファで死んでいた。
デルマスはスキャンダラスな写真を撮って一稼ぎするためにベルティエをベッドに移し、写真を撮る。
いくら仕事とはいえ、モローはその行為を許すことができない。
そこへモローの上司であるフランス通信社の支局長ルーヴィエが現れる。
ルーヴィエはベルティエが戦時中のレジスタンスの闘士であったことをデルマスに話し、その名誉を守るために、死の真相を隠すこと、デルマスが撮った写真のネガを破棄するように説得する。
デルマスはその説得にしぶしぶ応じる。
3人はベルティエが情婦のアパートでなく、ルーヴィエの車の中で死んでいたように工作して別れる。
その車の後ろにはずっとモローとデルマスの車をつけていた車が一台止まっていた…。
デルマスはモローに稼ぎ損ねた不満をぶつけると、ベルティエ未亡人の写真を撮るためにその家に向かう。
その家に後から帰ってきたのはずっとモローたちの車の後を付けていた若い女性…実はベルティエの娘アンヌだった。
デルマスは未亡人と娘の写真を撮ると、モローを差し置いてその場を後にし、行方をくらます。
モローとアンヌは、現像所や新聞社などデルマスが向かいそうな場所を次々と当たるが、なかなかその行方をつかめない。
その頃デルマスはあるバーで一人酔い潰れていた。
表に停まっていた車を手がかりにデルマスを発見したモローは怒りのあまり一発食らわせる。
殴られたデルマスをじっと見つめるアンヌの涙に濡れた瞳…。
その瞳に何ごとかを感じたのか、バーを明け方に出たデルマスは、実はまだどこにも売り渡していなかったネガを下水に捨てると一人笑いながら立ち去るのだった。 |
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